2006年2月7日

Pandora, Last.fm and Tapestry...

前回のエントリーで、「PandoraLast.fmをお試し中」とか書いていたんですが、その直後に1/23付けのニュースリリースでこんなものがあるのを発見。

(株)レインボー・パートナーズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:ケビン・マヤソン、以下レインボー)は1月23日、米All Media Guide社(本社:ミシガン州アンアーバー、社長:Karl Ryser、以下AMG)が開発した、音楽のレコメンデーション・エンジン、「Tapestry(タペストリー)」の提供を開始したと発表しました。


詳しくはよく分かってないのですが、中身は単なるメタデータのマッチングのようです。コンテンツの類似度により推薦するPandoraや、嗜好の類似度により推薦するLast.fmのようにアルゴリズムの独自性で強みを出すのではなく、専門家によって6,200もの細かいジャンル分けで登録されたメタデータのデータベースを持っているが強みのようですね。果たして、音楽推薦サービスはPandora, Last.fmに加えて、Tapestryの三つ巴の争いになるか?

ところで、ニュースリリースだけで見ると「日本語の曲はちゃんと分類できているの?」と心配になりますが、過去のインタビュー記事にこんなものがありました。日本の曲は何でも無条件にJ-POPというありがちな惨状はなさそうです。そうだよなー、そうでなきゃ日本でビジネス展開しようなんて考えないか…

これまでそのAMGのデータベースは基本的に洋楽専用だったのだが、これが邦楽にも対応し、国内においても大々的にサービスをスタートするという。


で、余談ですが、フィルタリング・アルゴリズムを研究している人なら、Tapestryと聞くと下記の論文が真っ先に思い浮かぶと思うのですが、こちらは元祖協調フィルタリングの論文ですので上記AMGのTapestryはまったく別物に見えます。むしろLast.fmの方が近いような。しかし、AMGの中の人が下記をまったく知らないとは思えないのですが、やはり何か関係があるのでしょうか…?

David Goldberg , David Nichols , Brian M. Oki , Douglas Terry, Using collaborative filtering to weave an information tapestry, Communications of the ACM, v.35 n.12, p.61-70, Dec. 1992

しかし、どんな著作権の法体系になっているのか知りませんが、欧米は音楽でいろんなトライアルができて良いなぁと思います。こうして、一部の既得権益者に足をひっぱられて、日本の技術開発はいろいろと遅れていくわけですよ。それでいいのか…?

参考リンク:
AMG、音楽レコメンデーション・システムを開発
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060123/amg.htm


米AMGの音楽レコメンデーション・エンジン、提供を開始--レインボー (MYCOM PC WEB)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2006/01/23/007.html


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