2004年2月26日

多脾症候群

内覧会の後、龍生の所見説明を担当医師から聞く為に、そのまま一路病院へ。

心臓の容態
「心拡大が進行性」とのこと。原因としては、(1)肺血流増加、(2)弁逆流といったものが考えられるが、この場合は弁逆流が主な原因だろうとのこと。対策としては、まず内科的治療として(1)水分制限、(2)利尿剤、(3)血液拡張剤というのを行い、それで駄目なら外科的治療=手術が必要ということになる。

既に、水分制限と利尿剤による治療は行っているが、あまり効果が見られない様子。次週月曜から循環器科(心臓の専門病棟)に移って、血液拡張剤による治療を行う。これには、長時間かけて様子を見ながら投与量を増やしていく必要があるので、最低でもあと1週間は入院が延びるということだ。

下大静脈欠損
疑いとかではなくて、確定的に事項になったようす。課題静脈欠損、および奇静脈結合(*1)があり、これ即ち多脾症候群ということらしい。

多脾症候群の特徴である、脾臓が葡萄の房のように複数連なっている様子(だから多脾症候群と呼ばれている)も確認されたのだそうだ。つまり、多脾症候群という、一種の遺伝子異常があるというのは間違いないということ。

多脾症候群で合併する可能性の高いその他の不具合は、以下の通り。


  • 不整脈(房室ブロック、洞不全症候群)

  • 胆道閉鎖(全体の10%)

  • 腸回転異常(全体の10%)



龍生の場合はこの内、胆道閉鎖に関してのみ疑いがある状態。理由は、胆嚢が超音波検査で見つからないこと、便の中の胆汁(に含まれる何とかという物質)が少なめ、という2点。ただし、便の中や腸から採取した所では、少なめではあるけれども、検出はされてはいるので、必ずしも閉鎖しているとは言えず、すぐに手術が必要という訳ではなく、しばらくの間は便のチェックをして様子を見ることになるそうだ。

つまり、胆道閉鎖があれば、そちらを最優先で治療する必要があったが、今のところまだ閉鎖しているという確定的な材料が見つかっていないので、心拡大を抑える治療を優先して行うということらしい。

医師の話が終わって、龍生としばらく一緒にいる。心臓への負担を減らすために、わざと体重を減らすようにミルクの量を制限しているので、一回り小さくなったように見える。外見上は多少顔色の黄色が強いくらいで、それ以外はまったく問題ないように見えるのが、余計に可愛そうで辛い。

新居に引っ越す頃までには、退院できると良いんだけど…

*1: 下大静脈がない代わりに、上大静脈にバイパスした異常な血管がある。下大静脈がなくてもそこを通って血液の流れが確保されるので、結果オーライなんだけど、奇形には違いない。

(⇒hatena)

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